Wednesday, 2 May 2018

日本企業における転勤と賃金の関係性について思う事。

インターネットで、地域限定社員が感じる「ガラスの天井」とモヤモヤ感についての記事を読みました。

その記事の中では、「転勤=成長」という論理に疑問を投げかけ、転勤可能な社員の賃金が高い(転勤プレミアム)は『いつでもどこでも行けますよ』というスタンバイ状態に対するご褒美のようなものと書かれています。

そして、「まずは賃金テーブルを一緒にしなければ、不公平感はなくならないのでは」
と続け、「いま、ワークライフバランスやダイバーシティを考えたときに、本当にこれが正しいやり方なのか、企業も社員も懐疑的になっている状況だと思います」

そして、下記のような感じでお茶を濁して締めくくられています。

「人事制度やキャリア開発のあり方を見直し、社員と密にすり合わせが行われる体制を整えなければ、企業も存続できなくなってしまうのではないでしょうか」
記事の締めくくりは、

でも、私としては、地域限定社員が転勤OK社員が転勤プレミアムを受け取ることに不公平感を持つって事に、モヤモヤします。

ましてや、「まずは賃金テーブルを一緒にしなければ、不公平感はなくならないのでは」なんて。

同一労働同一賃金というのは、転勤云々の条件も考慮された上での同一労働であるべきです。

Aの仕事をやります。勤務地はT限定
Aの仕事をやります。勤務地は問いません。

というのは、テレワークが可能な職種でない限りは、同一労働とは呼べないと思います。
なぜなら、会社にとって使いやすさが全く異なるからです。

会社の規模が大きくなればなるほど、拠点の数も増え、
取り扱う事業の種類も増えてくると思います。
ビジネスを続けていれば、業績によって、A地域で人が余り、B地域で足りないと
言うような事は多々あります。

イギリスならば、Aで余剰な人員に転勤できるか伺いをたて、可能ならば転勤、
不可能ならば解雇して、Bで必要な人員を雇います。

日本の今の終身雇用制では、簡単に解雇はできません。

ある地域で人員が余った場合にも、そこに勤務する地域限定社員の正社員は
異動することも解雇する事も難しいのです。
会社としては、転勤可能な社員を他に異動したり、
非正規社員を解雇する事によって対応する事になると思います。

つまり「転勤可能」な社員は、会社にとって使いやすいのです。
それは、本人の「能力」というよりは「条件」である為、
能力の高い地域限定性社員が不満に感じるのかもしれませんが、
でも、その「条件」が会社にとって都合がよいのです。
転勤プレミアムは、その使いやすさに対する報酬であると思いまし、
会社にとって都合の良い人間が昇進していくのだと思います。

「まずは賃金テーブルを一緒にしなければ、不公平感はなくならないのでは」
→私は、これは実現するには、正社員の解雇をやりやすくする必要があると思います。
日本の転勤問題は、終身雇用制の落とし子だと思うのです。

そう考えると、非正規社員も使いやすいのに恩恵をうけていませんね。
こちらこそ不公平だと感じてしまいます。

No comments:

Post a Comment