ミャンマーの最低賃金日額(4800チャット;約360円)では
たとえ夫婦二人が共働きしたとしても、
子供がいる一家を養う事は難しいと思うと書きました。
それがどれくらい難しいのか、身を持って実感するために、
「ヤンゴンの最低賃金日額(4,800チャット)で生活するチャレンジ」
なるモノを、やってみようと思いつきました。
2019年4月現在のレートでは、4,800チャットの価値はこんな感じです。
4,800チャット≒ 360円、3.2 USドル、2.5イギリスポンド
ただ、さすがに国によって物価の違いがありますので、
そのまま単純に為替変換した数値ではムリがあります。
こういう時に、世界の経済学者はビックマック指数なるモノを提唱し、
ビックマックの価格を使って各国の物価の比較をしていますが、
残念ながら、ミャンマーにマクドナルドはありません。
ロッテリアならありますが、ミャンマー人にとっては、
かなり割高な代物に成り下がっています。いや、成り上がっています。
そもそも、急速な経済発展の過渡期にある社会というものは、
エンゲル係数、特に外食費が高くなる傾向にありますし、
ミャンマーで最低賃金で生活している人々に、
頻繁に外食する余裕があるとは思えません。
ここはいっちょ、外食の値段の事は忘れて、
水1Lの値段を元に、物価スライドしようと思います。
ヤンゴンでは水1Lは大体300チャット。
最低賃金日額(4,800チャット)では、16本買えますね。
ロンドンだと水1Lは、だいたい70ペンスくらいでしょうか?
16本買ったら、11.2ポンドです。日本円にして約1600円。
夫(ミャンマー人)が言うには、ミャンマーの貧しい人々は、
ほぼ休みなしで毎日働いてるというのですが、
ちょっと信じられないのですが、ここは夫を信じましょう。
1ヶ月辺りの労働日数を平均して30日とします。
11.2ポンドx30日=336 ポンド(約4万9千円)
夫婦2人で働いたとして、月672ポンド(約9万7千円)。
日本の生活保護費の月額より、まだ低いですね。
ここから所得税などを差し引くのですが、
英国では、これくらいの所得の場合、非課税です。
日本でも、月5万円弱の給与所得には所得税はかかりませんよね。
ミャンマーでも、所得税の負担がそんなに重くないらしいので、
ちょっと乱暴ですが、所得税は無視します。
ここから家賃と光熱費を差し引きます。
いくらくらい引くのが妥当か。難しいところです。
ロンドンだと、子供がいる家族が住むようなフラットを借りるには、
安くても、一ヶ月1,000ポンドくらいかかるのですが、
それだと赤字になってしまいます。
英国では、家賃は収入の30%くらいが望ましいとされているので、
それくらいを家賃に持っていかれていると仮定して、
672 x30%=200ポンド。
そして、光熱費諸々で、100ポンド。
夫婦二人で、各々週6日働くという事で、交通費が必要です。
節約してバスを使うとして、一人一月約80ポンドx2=160ポンド。
さて、いくら残ったでしょうか。
672-200-100-160=212ポンド。
非常に大雑把ですが、これが、日々の食費や雑貨に使える金額です。
これを30で割ると、一日あたり約7ポンド(約1,000千円)。
この金額で、夫婦二人の食費や雑費をまかなう、題して:
「ヤンゴンの最低賃金日額(一日4,800チャット)で生活するチャレンジ」
英国換算値は、夫婦二人で 7ポンド/日と設定。
この金額で、家賃・公共料金・交通費を除く、日々の出費をまかないます。
主に、食費と雑費ですね。
交際費をここに入れてしまうと、とても非社交的に人間になってしまうので、
申し訳ないですが、交際費は含まない。
一日くらいだったら、買い物に行かなかったら出費ゼロになって、
あっさりと達成できてしまうので、チャレンジは一週間単位とします。
これで生活して、普通に生活した場合にかかる金額との差額を
チャリティーに寄付するというチャリティー活動はどうでしょうか?
この金額、めっちゃ適当に計算したから、
きっと色んなことろから反論がくると思うけどね。
ある日、ヤンゴン観光からホテルに戻っワタシの
ポケットの中から出てきたミャンマーチャット。
きちんと整理してみたらこんな感じに。
緑色の紙幣は1,000チャット札(約73円)。
それを10枚ずつ束にしたものが3つあるから、
これで30,000チャット(約2,200円)プラス小銭くらい。
ミャンマー最低賃金で働く人の、一週間分のお給料かなあ。
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