Thursday 11 April 2019

ヤンゴンの最低賃金日額(一日4,800チャット)で生活するチャレンジ

先日の記事:チャイルドレイバーと4,800チャット で、
ミャンマーの最低賃金日額(4800チャット;約360円)では
たとえ夫婦二人が共働きしたとしても、
子供がいる一家を養う事は難しいと思うと書きました。

それがどれくらい難しいのか、身を持って実感するために、

「ヤンゴンの最低賃金日額(4,800チャット)で生活するチャレンジ」

なるモノを、やってみようと思いつきました。

2019年4月現在のレートでは、4,800チャットの価値はこんな感じです。

4,800チャット≒  360円、3.2 USドル、2.5イギリスポンド

ただ、さすがに国によって物価の違いがありますので、
そのまま単純に為替変換した数値ではムリがあります。

こういう時に、世界の経済学者はビックマック指数なるモノを提唱し、
ビックマックの価格を使って各国の物価の比較をしていますが、
残念ながら、ミャンマーにマクドナルドはありません。

ロッテリアならありますが、ミャンマー人にとっては、
かなり割高な代物に成り下がっています。いや、成り上がっています。

そもそも、急速な経済発展の過渡期にある社会というものは、
エンゲル係数、特に外食費が高くなる傾向にありますし、
ミャンマーで最低賃金で生活している人々に、
頻繁に外食する余裕があるとは思えません。

ここはいっちょ、外食の値段の事は忘れて、
水1Lの値段を元に、物価スライドしようと思います。


ヤンゴンでは水1Lは大体300チャット。
最低賃金日額(4,800チャット)では、16本買えますね。

ロンドンだと水1Lは、だいたい70ペンスくらいでしょうか?
16本買ったら、11.2ポンドです。日本円にして約1600円。

夫(ミャンマー人)が言うには、ミャンマーの貧しい人々は、
ほぼ休みなしで毎日働いてるというのですが、
ちょっと信じられないのですが、ここは夫を信じましょう。

1ヶ月辺りの労働日数を平均して30日とします。

11.2ポンドx30日=336 ポンド(約4万9千円)

夫婦2人で働いたとして、月672ポンド(約9万7千円)。

日本の生活保護費の月額より、まだ低いですね。

ここから所得税などを差し引くのですが、
英国では、これくらいの所得の場合、非課税です。
日本でも、月5万円弱の給与所得には所得税はかかりませんよね。

ミャンマーでも、所得税の負担がそんなに重くないらしいので、
ちょっと乱暴ですが、所得税は無視します。

ここから家賃と光熱費を差し引きます。
いくらくらい引くのが妥当か。難しいところです。

ロンドンだと、子供がいる家族が住むようなフラットを借りるには、
安くても、一ヶ月1,000ポンドくらいかかるのですが、
それだと赤字になってしまいます。

英国では、家賃は収入の30%くらいが望ましいとされているので、
それくらいを家賃に持っていかれていると仮定して、

672 x30%=200ポンド。
そして、光熱費諸々で、100ポンド。

夫婦二人で、各々週6日働くという事で、交通費が必要です。
節約してバスを使うとして、一人一月約80ポンドx2=160ポンド。

さて、いくら残ったでしょうか。

672-200-100-160=212ポンド。

非常に大雑把ですが、これが、日々の食費や雑貨に使える金額です。

これを30で割ると、一日あたり約7ポンド(約1,000千円)。

この金額で、夫婦二人の食費や雑費をまかなう、題して:

「ヤンゴンの最低賃金日額(一日4,800チャット)で生活するチャレンジ」

英国換算値は、夫婦二人で 7ポンド/日と設定。

この金額で、家賃・公共料金・交通費を除く、日々の出費をまかないます。
主に、食費と雑費ですね。

交際費をここに入れてしまうと、とても非社交的に人間になってしまうので、
申し訳ないですが、交際費は含まない。

一日くらいだったら、買い物に行かなかったら出費ゼロになって、
あっさりと達成できてしまうので、チャレンジは一週間単位とします。

これで生活して、普通に生活した場合にかかる金額との差額を
チャリティーに寄付するというチャリティー活動はどうでしょうか?

この金額、めっちゃ適当に計算したから、
きっと色んなことろから反論がくると思うけどね。



ある日、ヤンゴン観光からホテルに戻っワタシの
ポケットの中から出てきたミャンマーチャット。



きちんと整理してみたらこんな感じに。
緑色の紙幣は1,000チャット札(約73円)。
それを10枚ずつ束にしたものが3つあるから、
これで30,000チャット(約2,200円)プラス小銭くらい。

ミャンマー最低賃金で働く人の、一週間分のお給料かなあ。

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