日本の正規社員と非正規社員の格差って、あまりにもヒドイ。
では、外国ではどうなのか?
ワタシは、英国の事しか知りませんので、他の外国の事は何も言えませんが、
とりあえず、日英の雇用環境や税制の違いについて比較してみました。
まずは、日本と英国のサラリーマン手取り金額を、
ざっくりと比較して見ようと思います。
日本で、年収800万とか900万以上が増税云々の文句がでてますので、
年収900万円のサラリーマン(給与所得者)について、比較したいと思います。
英国では、税引き前年収が日本円換算で900万円(6万ポンド)くらいだと、
所得税云々で約30%引かれて手取りは4万2千ポンド程度(630万円)。
日本では、税引き前年収が900万円くらいの人で、夫婦のみ子供なしの場合の
大体の手取りは630万くらいのようですので、
ここまでだけ見ると日本と英国の負担はそんなに変わらないように見えます。
1:日本では、子供を持つと税金が減る。
そして英国では、子供が何人いても税金の優遇はありません。
税引き前年収6万ポンド以上だと、実質児童手当ももらえません。
児童手当をもらった場合、その分所得税が調整(上乗せ)されます。
2:日本では、控除額に厚生年金が含まれる。
厚生年金の負担が高い高いと皆さん文句を言ってますが、
高い金額を支払うことにより、将来の年金が増えます。
今の水準ですと、大卒の新卒から定年まで働いた人は、
月20万円とかもらえますね。
公的年金でこの金額は、素晴らしい。
日本の年金制度が崩壊の危機なのも納得です。
英国でも、お給料から控除される額(30%)の一部は公的年金の財源となるため、
税金を納めた年数によって公的年金の金額が少しずつ増えていきます。
でも、英国の公的年金は、質素に生活するのに最低限必要な金額です。。
30年間納めてると満額もらえて、年間125万くらいの支給。
さらに年金を増やしたい場合は、401Kのような確定救出年金を
自分で拠出する必要があります。会社も補助してくれますが。
拠出分は、日本の iDeCo のように非課税となり、
一旦年金に拠出してしまうと原則55歳まで引き出すことはできません。
3:日本では、控除額に住民税も含まれる。
英国では、住民税は給与から天引きされません。
30%の控除額は、住民税を含まないのです。
39%引かれた後の手取りから、さらに住民税を支払います。
4:日本の消費税にあたるVAT (Value Added Tax) は20%。
所得税云々で30%引かれ、さらに確定拠出年金を拠出し、
その後さらに住民税まで払った後の金額が、自分で自由に使える「手取り」です。
でも、お金を使う際に、ダメ押しの税金、VAT(Value Added Tax) 。
日本の消費税にあたるものですが、英国のVATは20%。
日本では、消費税を10%に引き上げるということで、色々問題になってますが、
10%なんてカワイイもんです。英国では20%です。
もうこうなったら、税金払うために働いてるようなものですね。
それでも、英国人は文句を言いません。
おそらくそれは、英国が社会民主主義国であるからだと思います。
資本主義国である日本に比べると、
英国では、社会保障制度が整っています。
収入がある時に支払う税金は死ぬほど高いけど、もし自分が失職した場合、
失業給付にあたる Job Seeker Allowance を受給するのに、
日本みたいに、雇用保険の支払い実績が必要とかいう条件はありません。
本当に働けなくなって経済的に困窮した場合、生活保護という手もあります。
前述した公的年金(30年間納付で満額、年間125万くらい)だって、
30年納付してなくて公的年金額が生活保護より低くなった場合は、
生活保護をもらうのです。
もしかしたら、将来自分が困るかもしれない。
その時に助けてもらうから、収入がある今、高額な税金を払うのは仕方がない。
そういう考え方ですね。
なぜ日本人が、日本の税制について文句タラタラなのか考えてみると、
日本は、税金が(英国ほどではないにしても)地味に高いのに、
社会保障の制度が今ひとつだからだと思います。
それならいっその事、アメリカのように徹底的に資本主義にすればよいのに、
それもできない。
中途半端な制度で財政を圧迫して税金を上げるから文句がでるんだろうなあ。
高い税金取るならば、使い方には気をつけてもらわないと困りますね。
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手取り以外にも、色々比較してみます。
サラリーマン手取り金額日英比較(2019年)
日本の税制と雇用格差
正社員と非正規社員の待遇差、日英比較してみる
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