Wednesday 10 April 2019

チャイルドレイバーと4,800チャット

4,800チャットとは、ミャンマーの最低賃金の日額です。

今のレートで、約350円。USドルで、3.2ドル。

ミャンマーの最低賃金で働く人達は、この中から家賃を払い、
電気代やら水道代やら電話代などを払って、残りで生活しているのでです。

ミャンマーの貧困層では、専業主婦なんて不可能だし、
子供も学校に行かないで働かないといけません。

そうやって、家族全員で一日働いて稼いだお金を集めて、
家賃をやらって電気代や水道代やらを支払って、
残ったお金で食べ物を買って夕食の材料を買ってきて、
残ったご飯は翌朝の朝ごはん。

そしてまた、家族全員、働きに出るのです。

国際機関などで、チャイルドレイバー(児童労働)問題を取り上げる中で、
児童労働のせいで、子供が就学機会を失っているなんて、
トンチンカンな事を言う人がいますが、
子供が学校に行けないのは児童労働のせいではありません。

親が貧乏だからです。

子供が働くのが違法だからと、雇い主を処罰して、
「あなた達、明日から仕事に行かなくてよいよ~」と子供達を解放したとして、
彼らが、次の日から学校に行けるでしょうか?

答えは、NO です。

彼らが、明日から仕事に行かなくてよいという事は、
明日から収入がなくなり、食べるにも困るようになるという事です。

それまで働いていた時間を、勉強に費やすなんてこと、
できるわけがありません。

親が子供を養えなくなって、ストリートチルドレンになるか、
最悪、売春組織に売り飛ばされてしまうかもしれません。

もちろん、子供が働くという事は問題ですが、
働く事によって、より悲惨な状況に陥る寸前の所で引っかかっているのです。

ワタシが思うに、現在の児童労働の最大の問題は、
違法であるがゆえに、賃金や労働時間などの法規制も何ももないまま、
マーケット自体がアンダーグラウンドに落ち込んでしまい、
子供の労働力が安く買い叩かれている事だと思うのです。

ここは一つ、ちょっと思い切って、児童労働の法規制を少し緩め、
最低賃金とか、最大労働時間とかを定めてみたらどうなんやろう。

子供を雇う事を合法化する事によって、子供の労働条件が、
今よりも Fair になるかもしれないと、思うのです。

う~ん。所詮、絵に描いたモチかなあ。

でも、親が貧乏で子供を養えない状況である限り、
今の状況を打破するには、これしか方法がないと思うのですよ。

だって、今のミャンマーの最低賃金だと、たとえ両親共働きしたとしても、
家族が暮らしていくのは難しいと思うから。


5,000チャット札の束(多分100枚。日本円で約37000円。)
最低賃金で働く人の、約4か月分のお給料。

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