Friday, 30 December 2022

持ち家vs賃貸、我が家の場合(でも、再現性はナシ)- 2

持ち家vs賃貸、我が家の場合(でも、再現性はナシ)-1  (https://floatingonwatermeditate.blogspot.com/2022/12/vs.html)

の続きです。 

我が家は、英国で言うところの「フラット」。日本で言うと、マンションが一番近いのかもしれませんが、うちの場合は、集合住宅ではなく、普通の家を上下半分に分けて別々の家にしたと言う感じで、メゾネットも呼べるかも。

英国には、こう言う感じの、外からみたら普通の家だけど、中は小さなフラットに分かれてると言う「フラット」が散見されます。

中古の「フラット」を購入したのですが、今、振り返ってみると、購入に踏み切って大正解でした。購入当時は、かなり危険な橋を渡ったという自覚はあるのですが。

うちの場合、結果的には自宅購入が上手くいったわけですが、再現性は、あまりありません。

まず、前提が日本と大きく異なります。

中古住宅のリセールバリュー

イギリスは、住宅の寿命が長く(100年以上とか普通)、中古住宅のマーケットが活発で、立地がある程度良く、上手くメンテナンスしていけば、中古住宅のリセールバリューは、高く見込める。一時的にマーケットが落ち込む事はありますが、長く保有すれば、インフレもあるので、購入価格よりは高く売れるのが普通。

インフレ

ワタシが英国に移り住んでから20年ほど経ちますが、その間、英国では確実に年3%程度のインフレが続いている。(今年はコロナとかウクライナ戦争で、インフレ率が10%)とかなんとか、すごい事になってますが。)  賃貸住宅の家賃など容赦なく上がる一方、ある程度インフレ率を加味した賃金ベースアップも期待できる(最低賃金も上がってる)。

金利

少なくともこの20年ほどは、英国の金利は、日本より高かった。(と言うか、日本が低すぎる)。とはいえ、さすがの英国も、リーマンショックで金利がみるみるうちに下がり、0.5% とか 0.25% とか、コロナ中は0.1%まで下がりましたが、リーマンショック前は5%以上だったし、今(2022年12月)も、3.5%に戻してきてます。

返済不能になった場合

英国の住宅ローンは、支払不能に陥った場合、担保となる不動産が没収されておしまいです。日本みたいに、家を失って借金だけが残る、って事にはなりません。それだけに、住宅ローン契約時、銀行は不動産価値をシビアに評価します。もちろん、契約者の支払い能力が一番重要ですが、本人に十分な支払い能力があっても、不動産がダメなら貸してもらえない。逆に言えば、住宅ローンを借りられたという事は、少なくとも、銀行から担保価値のある不動産だと認められた事になります。


リセールバリューとインフレの条件が揃えば、不動産は購入する方が良いというのは、大方の人々の見解だと思います。

金利が高めなのはネックですが、住宅ローンを借りる事で、銀行が担保価値を認めてもらえる事は、安心材料にもなります。

上記を踏まえて、ワタシとしては、英国においては、持ち家vs賃貸論争は、持ち家一択です。

英国の場合、賃貸に住む多くの人は賃貸を好んでるのではなく、買いたいと思いつつも頭金がなかなか貯められなくて、買えない状況なのではないでしょうか。住宅価格が高騰するにつれ、貯めなければならない頭金の額は上がるし、家賃もどんどん上がるから、賃貸に住みながら頭金を貯めるのは大変です。なので、月々の返済額が、今払ってる家賃よりも少し高くなるってくらいの所まで頭金が貯まったら、購入に踏み切る人が多いのではないかなあ。

我が家は、購入まではシェアハウスで家賃を低く抑えていたため、月々の返済額が、払ってる家賃プラス、住宅購入頭金の為に毎月貯金してる金額、マイナス光熱費や税金の増加分、くらいになる所で購入に踏み切りました。

持ち家vs賃貸、我が家の場合(でも、再現性はナシ)-1  (https://floatingonwatermeditate.blogspot.com/2022/12/vs.html)

持ち家vs賃貸、我が家の場合(でも、再現性はナシ)- 3   (https://floatingonwatermeditate.blogspot.com/2023/01/vs-3.html)

Monday, 26 December 2022

持ち家vs賃貸、我が家の場合(でも、再現性はナシ)-1

持家vs賃貸論争。
これは、永遠に答えが出ないテーマです。

特に日本の市場では。

日本では、気候のせいか建築方法のせいなのか、住宅の寿命が約30年程度と、非常に短いです。
30年って、耐久消費財に毛が生えた程度ではありませんか。
国によっては、車を30年乗る国もあるよ。

ワタシが縁あって現在住んでいる英国では、住宅の寿命は100年以上という感覚だと思います。英国で家を買う時は、物件によって、土地はfreehold(自由保有権)だったりleasehold (借地権)だったりするわけですが、leasehold (借地権)の場合、借地権の契約が残っている年数が不動産広告に明記されます。
多くの場合、借地権の残年数は、90年とか100年とか、新築だった120年とか。
不動産は、100年以上もつと想定されているから、借地権も長いのです。
そして、借地権の更新にも結構なお金がかかるため、借地権が短くなった物件は、値引きされていきます。(でも、借地権の更新しなきゃいけないから、いくら安くても、ワタシは避けました)。

つまり、不動産が、それくらいもつと言う前提になると、やっぱり、家は買った方が良いという結論になるのです。
中古不動産でも、きちんとメンテナンスしていれば、不動産マーケットが上昇すれば、価格は上がりますからね。
インフレ対策には、有効な投資となります。

イギリスは、この20年ほどワタシが住んでいた間だけでも、毎年、年3%程度のインフレ率をキープしていました。
そしてコロナ後のウクライナの戦争および燃料費高騰やその他諸々の要因により、インフレ率は瞬間速度では10%とも言われていて、家賃が高騰して払えなくなった賃貸住まいの人が住処を追い出されてホームレスが増加、とまあ、賃貸派には、大変厳しい状況となっています。

まあ、英国では、自分の選択による賃貸派っていうのは、お金持ちな人達で、多くの人は、買いたいけど買えないから賃貸という賃貸派なのですが。

まあ、金利も上がってきてるので、家を買って住宅ローンを払っている人達も、大変なわけですが。

でも、日本よりも、ずっと借主の立場が弱い(追い出される危険性が高い)英国では、家賃を払い続ける経済・精神的負担は大きく、無理をしてでも家を買おうという方向に向かうのです。

つまり、英国に限って言えば、持家vs賃貸論争は、持家の勝ちなのです。

なので我が家も、ちょっと無理をして、購入に踏み切りました。

長くなったので、続きます。