英国では、茶色い封筒といえば、お役所からの手紙です。
他の手紙は放っておいても、なにはともあれ、茶色い封筒だけはすぐに開封して、中身を確認しなければなりません。
まあ、それを見越して、わざわざ茶色い封筒で送ってくるダイレクトメールもあるのですが。
今日の茶色い封筒は、カウンシル(区役所みたいなもの)からのお手紙。
選挙人名簿(electoral register)の記載内容の確認です。
我が家の住所に登録されている、選挙人、つまり英国の選挙権を持っている人は、夫ひとりだけ。
ワタシには選挙権はありません。
なぜならワタシは、英国の無期限滞在許可(Indefinite Leave to Remain)でもって英国に滞在する、日本国籍保有者だからです。
今回、この手紙を見た夫は、何を思ったのか、ワタシも選挙人登録ってできるんじゃないの?と言い出しました。「長い間英国に住んでるんだし」って。
んな、アホな。
いくら長い間英国に住んでいたって、英国籍もEUの国籍もコモンウェルスの国籍も持ってないんだから、登録はできないよ~。
まあ、夫がワケの分からない事を言い出したのも、無理はないかも。
思えばワタシ、英国の無期限滞在許可をとってから、もうかれこれ、14年も経つんです。
長い間住んでるんだから、そろそろ選挙権もらえないのかと、そういう発想だったのでしょう。
ワタシも、こんなに長く住んでる国の選挙に参加できないのは、歯がゆいものがあります。
英国への帰化の条件も満たしていますし、帰化しようと思えばいつでも帰化できます。
でも、あえて帰化していないのは、日本国籍に執着しているからなんです。
日本は、二重国籍を認めていないですからねえ。
ウワサでは、二重国籍なんてばれないよ~っていう人もいるんですが。
まあ、生まれた時点で二重国籍で、22歳に到達して、国籍選択をしなければならない時に、選択しなかった人っていうのは、アクションをしなかった事による二重国籍なので、ばれにくいそうです。
一方、ワタシのように、生まれた時は日本のみの単一国籍だった人が、もし大人になってから帰化した場合は、アクションを起こした事による二重国籍なので、ばれやすいらしい。
これが、本当がどうかはわかりませんが、そういわれてみてれば、そうかもって感じですよね。
そして、チキンなワタシは、日本国籍を失いたくないので、今のところ、英国への帰化は考えていません。
ただ、英国の無期限滞在許可は、無期限と言いながらも、BRPカードなるものが導入されて、そのBRPカードが無期限じゃない(定期的に更新しなくてはいけない)ので、それが今のワタシの頭痛の種になっています。
無期限滞在許可やのに、それを証明する書類(BRPカード)が期限付きって。
詐欺やあ。
まあ今のところ、BRPカードが必要になるのは就職の時だけで、失効したパスポートにくっついている無期限滞在許可でも、英国への入国は可能です。
雇用に流動性がある英国では、普通の人が普通に何度も転職しますので、就職で制限する事によって、ゆるやかに無期限滞在許可保持者のBRPカード申請を促進しているのでしょう。
さすが英国政府、やり方が英国風です。
もしかしたら、70歳とか80歳とかになって、BRPカードの更新が面倒になってきたら、もしくは、ボケてきてそんな申請が困難になってきたら、英国に帰化しようかなあ、なんて考えたりしています。
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