女性の働き方の問題を議論する際に、
特に、既婚女性が夫の扶養範囲で働くか否かを議論する際に、
扶養範囲で働く場合の反対語として、「バリバリ働」くと言う言葉が
使われていることが多いような気がします。
しかし、この「バリバリ働く」という言葉、
正確にはどういうことを意味しているのでしょう?
バリバリって、働いて音が出るわけでもないし。
せんべい食べながら働くのか?とツッコミたくなるのですが、
ググッてみました。
Weblio類語辞書より拝借。
バリバリ働く
意義素 | 類語 |
---|---|
張り切り勇んで仕事に取り組むさま | 励む ・ 頑張る ・ 精を出す ・ 出精する ・ 勤しむ ・ 奮励する ・ せっせと取り組む・ 汗を流す ・ バリバリ働く ・ 馬車馬のように働く ・ しゃかりきになって働く ・ 奮闘する ・ ガンガン働く ・ ガリガリ働く ・ 精力的に働く ・ 汗水を流す ・ 必死に働く ・一生懸命働く |
熱心に仕事に取り組むこと | バリバリ働く ・ せっせと働く |
そうか。バリバリ働くっていうのは、こういうことなのね。
馬車馬のように働くってのも、類語なのね。
大分悲壮感があるような気がしますが。
もしかしたら、私の偏見が入っているかもしれませんが、
男性が「バリバリ働く」と言うと、
組織の中で意思決定に関わるような重要なポジションにつき、
and/or 高収入、
というイメージがあります。
一方、女性が「バリバリ働く」と言う場合場、
独身女性に関しては男性と同じ感じで使われていると思いますが、
既婚女性に関しては、夫の扶養範囲を超えるような働き方に対して、
「バリバリ働く」という言葉が使われているような気がする。
2018年からは、すべての扶養範囲を超える(配偶者特別控除を失う)年収が、
201万円になるという事です。2017年までの141万円よりは随分上りましたが、
それでも、年収201万円っていうのは、もし単身だったら、
今世の中で問題になっているアンダークラスに分類される額です。
時給1200円くらいでフルタイムで働いたら、超えてしまうと思います。
そして都市部なら、時給1200円のポジションの仕事内容は、
「バリバリ働く」というイメージでは無いように思うのです。
なので、夫の扶養範囲を超える働き方を「バリバリ働く」と
形容するのは、少し違和感を感じるのす。
確かに、既婚で子供のいる家庭で、妻がフルタイムで働くと言う事は、
家庭との両立と言う意味では「バリバリ」頑張らなくてはいけなくなるでしょう。
そういう意味で、既婚女性が扶養範囲を超えて働くのを
「バリバリ働く」と形容するならば、
なぜ、それは女性の方にだけ適用されるのでしょう。
妻がフルタイムで働く男性が、家庭でキチンと家事を折半してやっていたら、
遅くまで残って残業はできないと思います。
そして、そういう男性の働き方は「バリバリ働く」とは形容されません。
既婚女性は、フルタイムで働くだけで「バリバリ働く」なのに、
既婚男性は、フルタイムで働くだけでは「バリバリ働く」とはならないのです。
この背景には、日本には「家事は女性の仕事」だと言う、
暗黙の想定があるような気がするのです。
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