Tuesday 23 January 2018

住宅ローン繰上げ返済。返済総額ばかりに囚われるのは如何なものか。

インターネットで家計管理や貯蓄関係のコラムなどを読んでいると、
今も昔も、住宅ローンの繰上げ返済についての記事がでてきます。

そして、それらの殆どが住宅ローンの繰上げ返済といえば、

ー 住宅ローン減税の事を考えて、タイミングを見計らいましょう。
ー 期間短縮型の方が利息低減効果が高い。

という2点について述べています。

私も住宅ローン減税に係る繰上げ返済時期の調整については、
100%賛同いたします。

そして、期間短縮型が利息低減効果が高いという事にも同意します。
事実ですから。

でも気になるのは、多くの記事が、

「期間短縮型の方が利息低減効果が高い。」
と述べ、そして、特に35歳以降に35年ローンなど長期ローンを組んだ場合の
60歳時点のローン残高をシミュレーションして、
これを退職金では返すと老後破綻すると指摘する。

そして、繰り上げ返済をして60歳までに完済するか、
ローン残高をできるだけ減らすことを勧めています。

確かに、正しい。

正しいけれども、何か引っかかる。

何が引っかかるのか。

まず、この文脈では、繰り上げ返済は期間短縮型が想定されている。
(ように読み取れる。)
60歳までに完済とか、期間短縮型でないと無理ですからね。

あと、60歳までは現在の収入を確保できることを前提としている。
今の経済状況で、それは楽観的ではないでしょうか?

もし私が、誰かに住宅ローンの繰上げ返済について相談されたなら、、
「期間短縮型の方が利息低減効果が高い。」というのはわかっていますが、
期間短縮型型の繰上げ返済をお勧めはしません。

なぜなら、一般人にとっての住宅ローンというのは、
金銭的な損得勘定では計算しきれない色々なリスクをはらんだものだからです。

住宅ローンの特性を羅列してみます。

ー他のローンに比べて金利が低い
ー不動産を担保とする
ー借り入れ高はかなり高い(年収の数倍)
ー返済期間は長期
ー月々の返済額は、結構な金額
ー時にはボーナス払いもある
ー一回借りたが最後、一生つきあう覚悟が必要

ここで大切なのは、返済期間は長期で、一回借りたが最後、一生つきあう覚悟が必要。
という部分です。

そうです。住宅ローンは、一生ものです。
もちろん、一生で2回、3回、4回と住宅ローンを借りる人もいますがm
そういった人たちも、一回一回、その都度、
そのローンと一生つきあう覚悟をもって借りてるはず。

ローン破産は自己責任といわれますが、
自己責任なのは、よっぽど考えなしに借りた場合。
殆どの人は、大きな借金であることを自覚して、悩みに悩んで借りています。
それでも、景気の変動をうけて返せなくなったってのを
自己責任と言って切り捨ててしまうと、これからの若い人はこれから何もできません。

まあ、それは置いといて。

私が思うに、住宅ローンを借りる時に考えるべき問題は、月々の返済額。
もし、何かが起こって収入が減っても、この金額を返済し続ける事ができるのか?
60歳になる前に、会社の業績不振で減給や失業など、
絶対に起こらないとは保証できません。

もし返せなくなったら、家が没収されてしまうのです。
でも、年金生活になっても、払い続けられたらこっちのもんです。

というわけで、私は返済額軽減型を選んでいます。
返済額を減らしていけば、不測の事態に備えられると思うのです。
(返済額が減った分は、繰上げ返済にまわしてます。)

返済額を減らしておいたおかげで、夫の失業中も
私一人の収入で月々の収支は赤字にならなくてすみました。

もちろん、夫の失業中は貯金や繰上げ返済は出来ませんでしたが、
「赤字にならない」ということは、気分的に大分違います。

住宅ローン繰上げ返済。返済総額ばかりに囚われるのではなく、
リスク回避も考えないと。

とまあ、セミリタイアした人間としてはしみじみと感じるのです。

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