時々、テレビ番組で、有名人が「昔、あれそれこういう事ですごくお世話なった人がいて、その人を探し出してお礼を言いたい!」と、会いに行く企画がありますよね。
あれ、やっと探し出した人に、有名人が、「あの時お世話になった〇×です。あの時はお世話になってありがとうございました!」って突然お礼をいっても、意外と相手の反応が鈍かったりする事ってありません?
おそらく、事前打ち合わせをしないで、ドッキリでやった場合に、そうなってしまう危険性があるのだと思いますが、やっと探し当てた恩人は、そんな昔の事、ぱっと思い出せないという感じ。
薄情な。と思われるかもしれませんが、それは、仕方がない事なんです。
親切を受けた方は、常々もしくは時折、「いつかこの恩返しをしよう」と考えてながら生活しているかもしれませんが、親切をした方は、「いつ誰にこんな親切をした」っていちいち考えて生活しているわけではありませんからね。
親切は、した方は案外忘れてしまっているものなのです。
特に、心の底から親切な人というものは、色々と親切をやり散らかしているので、いちいち覚えていないのですよ。
うちの夫(ミャンマー人)も、そんな、親切をやり散らかす人の一人。
以前、ミャンマーに里帰りした時に、お義母さんの生まれ故郷の村を訪問しようという企画を立てた夫。
お義母さんの生まれ故郷の村は、それはもう、辺鄙な所にありまして。
エーヤワディー川デルタ地帯の、網の目のようになった川の中洲の一つにあるので、車では行けない所なのです。
最寄りの町まで車で行って、そこから小さなボートに乗って、約2時間。
ヤンゴンのシティーボーイの夫には、少し手に余る企画だったのですが、彼の友人に、その地域に詳しい人がいて、その人が色々手配してくれて、お義母さんの故郷への旅が実現したのです。
いやあ、すごいお世話になった。
っていうか、その旅に一緒に来てくれたし。その友人。
だって、すごいアドベンチャーだったんですよ。
もちろん、車とかボートとかのチャーター代は夫が出していますが、それにしても、どんだけ親切なんや、その友人。
と思っていたら、その友人が言うことにゃ。
どうやら昔、夫が、その友人が困っている時に助けた事があるそうなのです。
「とてもお世話になったから、これくらいの事、チョロイもんさ!」と言うのです。
なぜ、助けた事がある「そう」なのかと申しますと、
なんと夫は、その事を覚えていないのです!
「覚えてないんだけど、何したのかな~???」って、首をかしげている。
多分、夫の事なので、すごくお金がなくて困っている時に、お金を貸すかカンパするかしたんだと思いますが、夫はそれを覚えていない。
なぜなら、夫がそういう風に人を助けているのは、その友人だけではないからです。
やり散らかしてるので、覚えていないんですね。
ここでワタシが学んだ事は、ズバリ、
「親切をやり散らかす人達は、自分がした個々の親切については覚えていない」
だから、いきなり行ってお礼を言っても、何のことか分からないのですよ。
「昔、お世話なった人を探し出してお礼を言いたい!」企画をやる時は、感動の再会前に、事前うち打ち合わせをする事をお勧めします。
エーヤワディー川デルタ地帯。水草をかき分けながら進むボート。
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