Thursday 18 October 2018

ヤンゴン消防事情の今昔

夫(ミャンマー人)は、毎週土曜日にヤンゴンに住むお母さんに電話をしています。
昔はミャンマーへの国際電話は高額でしたが、
今はミャンマーのインターネットのインフラが整備され、
ソーシャルメディアのボイスチャット機能を使っていますので、
かなり安く連絡できるようになりました。

便利な世の中になりましたね。

さて先日、夫がお母さんに電話したところ、
2、3分も話さずに電話を切ってしまいました。

どうしたのかと聞いてみたら、
お母さんの家の近所(2、3件先)で火事が発生してるから
今から避難するとの事。

えええ。えらいこっちゃ!
電話なんかしてる場合じゃない!

取り急ぎ貴重品を持って、近所に住む夫の姉の家に避難するとの事で、
夫はしばらくしたらお姉さんの家に連絡するという事にして
電話を切ったそうです。

しばらくして夫が再度電話してみたら、もう鎮火したとのでした。
良かった良かった。


夫:けっこう早く鎮火してよかった。昔だったらこうは行かない。
  今の政権になったおかげだね。

私:昔は今より時間がかかってたの?
  政権が代わって消防システムが改善したのね。

夫:う~ん。システムが改善したというか。。。
  昔は、早く鎮火してもらう為には、
  消防士に賄賂を払わないといけなかったから。。。

私:えええ。

夫:消防士は、現場についても、水がないとか何とか言って、
  すぐに消火活動を始めないんだ。
  避難してる人々は、大抵、着の身着のままで出てきてるから、
  現金なんて持ってないし、とにかく指輪とか身につけてる貴重品を渡して、
  早く消火活動を始めてもらうようお願いするんだよ。

私:えええ。それはひどい。
  腐敗しているにもほどがある!
  って言うか、賄賂渡したら急にどこかから水が出てくんのか!
  ツッコミどころありすぎ!

夫:今の政権は、公務員が賄賂を受け取るのを禁止したからね。
  まあ、公務員は賄賂がもらえないと一生懸命働かないから
  仕事のスピードが落ちて、建設許可みたいな公的な許可が遅れて、
  色々な開発プロジェクトなんかが遅れて、
  政府は今、色々批判されていたりするけど。
  でも、消防士が賄賂を要求しなくなったのは、良いことだと思うし、
  今の政権になって改善した事の一つだよ。

私:そ、それは、とても重要な改善だったと思います。。。


イギリスでは、2011年に新しい贈収賄禁止法(Bribery Act 2010)が施行されました。

それ以前は、同種の法律としては、アメリカの贈収賄禁止法が
世界で一番厳しい物だったのですが、
このイギリスのBribery Act 2010 が施行され、世界一に躍り出たのです。

詳しい内容は省略するとして、かなり厳しい法律です。

受け取る方にもとっても渡す方にとっても。

かなり厳しいので、普通の人間にとっては、
賄賂なんて、別世界になってしまいます。

でももし、この状況だったら。

自宅が火事で着の身着のままで避難している時に、
到着した消防士が賄賂を要求してきたら。。。

そりゃあ、身につけている金目のものがあったら渡すでしょう。

背に腹は代えられませんからねえ。

ああ、それにしても、
公務員が賄賂を取る世の中って、恐ろしい。。。

今は少なくとも、消防士さん達は賄賂を要求してこなくなったようですので、
ちょっと安心しました。


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