金融資産を貯蓄や保険で持つ傾向にあり、投資には消極的な日本人。
日本経済を盛り上げる為にも、是非とも日本国民の金融資産を
株式市場へ流入させたい日本政府としては、
金融資産を投資に振り分けることによって節税できる制度、
iDeCoと NISA を導入して国民の投資を奨励しているようですね。
その気持ちは分かります。
英国だって同じようなことしてるから。
でも、思うのです。
日本のiDeCo と NISA は、せこすぎる!
まず、iDeCo。
ちなみに iDeCo とは、個人型確定拠出年金の略称です。
確定拠出年金は、英語でDefined Contribution なので、
De と Co はそこから来たとして、i はどこから来たんだろう。
まあ、それは置いといて。
確定拠出年金とは、毎月一定金額を年金に拠出。
拠出したお金は、将来受け取り可能な年齢に達するまで手をつけられない。
その代わり、拠出した金額に関しては所得税が非課税。
拠出した資金は通常、投資に回すのですが、その運用益も非課税。
受け取り可能な年齢に達して運用資産を受け取る際にも、
(ある程度)税金の優遇を受けられる。
早い話が、所得税の支払いを先送りする事ができる制度です。
そして、大半の人々は定年後の収入は現役時代より少ない、
つまり、所得税額も少ないので、税金を先送りをする事によって、
生涯支払い所得税額を減らす事ができるのです。
プラス、資産を受取る際の税制優遇がおまけについてくる感じですかね。
とても良い制度だと思います。
ただし、拠出した資金は、受け取り可能な年齢に達するまでは
ないものとして考えなければならないので、あまり若いうちに大きな金額を
拠出してしまうと、その後の長い人生の間に、
「しまった!」と思うことがあるかもしれません。
若者は、あまり大きな金額を拠出しない方が良いと思いますが、
少額で長期間投資の練習を始めるきっかけとして有効かと思います。
とても良い制度なのです。
良い制度だとは思うのですが、、日本のこの制度は、ちょっとせこい。。。
英国にも同じような制度があります。
日本と英国で、この制度を比較してみると。。。
英国では、年間の拠出金額の上限は、年間 4万ポンド(約600万円)、
もしくは自分の年収額かの低い方です。
つまり、自分の税引き前の年収が600万円で、
今はこのお金必要ないという事であれば、
極端な話、全額年金に拠出してしまえば、支払う税金はゼロです。
まあ、実際に年収全部を年金に拠出している人には会った事がありませんが、
年収の三分の一くらいを年金に拠出してる人は知ってます。
そして、高額所得者には、年間 4万ポンド(約600万円)くらい
年金に拠出するのは平気な人も多々います。
ただ、非課税で拠出できる金額には、生涯の累計にも上限があって、
生涯累計の上限は、103万ポンド(約1億4400万円)です。
これも、普通の人にはあまり超える心配はない上限です。
でも、高額所得者には越える人もちらほら。すごいなあ。
さて、一方、日本の制度はどうでしょうか?
拠出金の上限は、職種によって異なるようですが、
一番多い自営業者で月6万8千円(年間81万6千円)、
公務員や会社員だと、月々1万2千円(年間14万4千円)とか
2万3千円(年間27万6千円)とかの世界なんですね。
英国とは、一桁違います。
生涯の拠出金額には上限はないようですが、
年間の拠出額の上限が一番多い自営業の人が、
上限いっぱい40年間拠出したとしても3千3百万円、
英国に比べたら、1億円違います。
拠出金の上限金額=個人所得税が非課税になるかもしれない金額
こう考えると、英国は太っ腹だなあ、としみじみ。
英国は日本より所得税率が高いので、年金拠出による非課税金額が増えた場合に、
失う税額は日本より大きいのですよ。
というか、日本がせこい!
もちろん、年金に拠出してしまと、その資金は「今、使えるお金」ではなくなるため、
税金が安くなるからと拠出しすぎるのは問題です。
(それは、住宅ローンの繰上げしすぎて生活が苦しくなるのと同じ感じですね)
上限金額が上ったと言って、皆が上限一杯まで制度を利用する必要はないのです。
さて、次はNISAについて比較します。
40歳代ランキング
No comments:
Post a Comment