Wednesday, 15 April 2020

雇用調整助成金

雇用調整助成金

最近にわかに、この単語を目にするようになりました。

ウーハンウイルス新型コロナウィルスが世界中で猛威をふるう中、日本でも、ついに7都府県を対象に緊急事態宣言が出され、営業時間の短縮、もしくは休業に追い込まれる会社が多数出てきています。

日本政府としては、「会社の売上に対しては、休業補償は行わない」というスタンス。

「やむなく従業員を休業させる場合には、雇用者は、雇用調整助成金の申請を検討してください」

雇用調整助成金!!!

ああ。懐かしいこの単語。

なぜならワタシ、昔々、日本で働いていた頃、申請事務に関わった事があるのです。

バブルがはじけて日本が不景気に落ち込んだ頃に就職したワタシ。

せっかく拾ってもらった会社(それも正社員!)ではあったのですが、その会社の属する業界の動向は、さらに悪化し続けたのです。

勤め始めて数年後、ついに「不況な業界」だと政府より認定されるまでに至ってしまいました。

ところで雇用調整助成金というのは、雇用保険の一種です。

雇用保険で一番有名なのは、退職した時に受け取ることができる、失業給付ですね。

でも、雇用保険というのは、なかなか手広く事業を行っておりまして、失業給付の他にも、教育訓練給付金とか、色々とありまして、雇用調整助成金も、そんな雇用保険事業の一つであります。

サラリーマンの給与明細を見てみると、厚生年金や健康保険に比べたら、引かれる金額は比較的可愛らしい雇用保険ですが、なかなか侮れない奴なのですよ。

でも、雇用調整助成金、申請の事務は、えっらい大変です。

当時ワタシが所属していた部署は、事務のプロという感じの部署であり、そこで数年働いていたワタシ自身も、ある程度は事務のプロであるという自負がありました。

そんなワタシ達でも、申請書類の準備に係る作業量は、かなりのものでした。

役所からお金をもらう申請というのは、大変なものなのですよ。

そんな煩雑な事務作業でも、普段から、役所に提出する書類の準備なんかをやっている人間がやれば、間違う確率も低くなるし、効率が良い。

でも、今話題になっている30万円の給付は、各世帯が自分で判断して役所に申請するらしいですね。

世の中には、お金の事も良くわからない、事務仕事も苦手な人がゴマンといるのに、そんな人達が直接役所に行って申請したならば、混乱することは目に見えています。

それよりも、できるだけ雇用者(会社)が休業補償を出して、会社から雇用調整助成金を申請するようにするほうが、役所も混雑しないでしょうし、役所の人も、ハチャメチャな申請書類の添削作業に忙殺される事もない。

ちなみに英国では、休業した従業員の給与80%(上限月2500ポンド)を政府が払うと発表しましたが、これは雇用者が申請します。

休業する従業員をペイロール(給与支払い名簿)に残す事を条件に、雇用者が申請する事によって当人の給与の80%、もしくは月2500ポンドが会社に支給されるわけです。

きっと、会社の人事とか経理とかは大忙しになってしまいますが、それでも、素人に申請事務をさせるよりは、ずっとマシ。

会社側は、その80%ないしは、2500ポンドをそのまま従業員に渡すもよし、会社が自腹を切って少し加算するもよし。

それは会社次第です。

あ、でも、給与の80%(もしくは月2500ポンド)というのは、税前の金額で、そこから税金が徴収されるようです。

これを英語で Furlough というのですが、この単語、最近の英国でのトレンドワードになってるような気がします。

嫌なトレンドワードやなあ。



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