Thursday, 23 January 2020

ミャンマーのマイクロファイナンス

我が家は、年に一度か二度、夫の故郷であるミャンマーに里帰りしています。

里帰りの際には、英国のチョコレートやらビスケットを山ほどスーツケースに詰め込んでいきます。

税関でスーツケースを空けられたら、ちょいと恥ずかしいくらいです。

あと、英国製のビタミン剤も。

ミャンマーのお歳よりは、ビタミン剤が好きなのですよ~。

そして帰りには、チョコレートやらビスケットやらビタミン剤やらが入っていたスペースに、ミャンマーの食べ物を山ほど詰め込んで帰ってきます。

そのおかげで、英国に居ながらにして、ミャンマーのお茶の葉サラダ(ラ・ぺ・トゥ)などを楽しむ事ができるのです。

よって、里帰りの前には、英国の自宅にあるミャンマー食材の在庫の棚卸しが、重要なミッションとなります。

そんで、ミャンマーで何をいくつぐらい買いたいか、買い物リストを作るわけですね。

今年はそろそろ、干しえびの在庫が減ってきました。

お茶の葉サラダ(ラ・ぺ・トゥ)をはじめ、細切りにして酢に漬けた生姜を使ったジンジャーサラダでも、とても良い仕事をしてくれる、あの干しえびです。

以前大量に仕入れたので、しばらく買い物リストに載らなかった干しえびですが、とうとう次回の里帰りの買い物リストに含まれることになりました。、

でも、干しえびって、けっこう高いんですよね。

そして、良いものを手に入れるには、それ相応の入手ルートがあるようです。

ある日、夫がおもむろに言いました。

夫:今年は、お母さんが干しえびを注文しておいてくれたよ。

ワタシ:おお!ちょうど減ってきてるから、次回の里帰りで買おうと思ってたんだよねえ。うれしい~。

夫:叔父さん(お母さんの弟)の伝手で、良いのが手に入るらしいよ。

ワタシ:ほうほう。

夫:叔父さんの奥さんの実家が、デルタ地帯(南部デルタ地帯。エーヤワディー川の河口付近で、川がアマゾン川みたいに網目状になっている湿地帯)の出身なんだけど、そこでマイクロファイナンスのビジネスをやってるそうなんだ。

ワタシ:ふむふむ。

夫:で、漁師とかにもお金を貸してるわけなんだけど、返済を現物で収める人もいるらしいんだよ。

ワタシ:えええ。利息は干しえび?

夫:人によっては、元金も利息も干しえび。

ワタシ:えええ。

夫:まあ、先物取引みたいなもんだよ。

ワタシ:というか、それって、ただの予約販売では?

夫:コモデティだよ。原油とかコットンみたいな。ヤンゴンに持ってきたら高く売れるし、そうやって商売してるんだよ。

はあ。そんなんですね。

借金のカタの干しえびだと思うと、ちょっと心が痛みますが、きっとミャンマーでは、そういうマイクロファイナンスのビジネスモデルが普通に行われているのでしょう。

お義母さんが入手してくれる干しえびは、いつも美味しいので、ま、いいか。


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