「お・も・て・な・し」。
なぜ、今まで普通にあった日本語の単語が、にわかに脚光を浴びたのか?
中黒(・)で仕切ったから、意味が変わったのか?
そもそも、なんで単語の一音一音を、中黒(・)で仕切る必要があるのか?
?????
と思っていたら、東京オリンピック誘致のアピールの際に、日本の「おもてなし」スピリット(精神)を、英訳や仏訳することなしに、そのまま「おもてなし」と表現したことによるらしいですね。
外国人にも聞き取れるよう、クリアーにはっきりと発音したから、
「お・も・て・な・し」
となった。
確かに、日本には、「人をもてなす」という文化があります。
そして日本人は、人をもてなすにあたり、見返りを期待していません。
というか、むしろ、見返りを期待しないで人にいろいろやってあげることが、日本における「おもてなし」なのでしょう。
日本の「おもてなし」という行為には、対価が発生しないのです。
それが高じて、「おもてなし」のように、形のない、好意の表明のような行為に対価を要求する事は、野暮だという文化に発展していったように思われます。
よって、「おもてなし」文化が根強い日本では、「目に見えない物」には「対価が発生しない」という感覚が根付いてしまっているように思えるのです。
これは、「サービス」という外来語の日本での使われ方が、もともとの英語の意味とは全く異なるものになってしまっている点に、よく現れていると思います。
日本でサービスというと、「無料」という意味になるのですよね。
「今、XXを一つ買うと、△△を一つサービス!」とか。
昔、海外旅行中に香港かシンガポールあたりの空港の免税店で見かけたのですが、日本人観光客が、おそらく値切ろうとしていたのだと思うのですが、こんな感じの事を言ってました。
I will buy this 3, 1 service, please.
おそらく、三つ買うから一つサービスしてくれと言いたいんだと思いますが、かわいそうに、店員さんは「?????」状態になってました。
そりゃ、意味がわかりませんわねえ。
英語では、「サービス」というものは、あくまでも「無形の財」であり、「無料」という意味は全くありません。
経済に置いては、基本、「サービス」というモノには対価が発生します。
だから、「3つ買う。一つサービス」っていわれても、そもそもなぜここでサービスという単語が出てくるのか全然わからないのです。
でも、日本語における外来語の「サービス」は、「無料」という意味があるのですよね。
これは、日本には、「無形の物は無料である」という文化があるからだと思えてならないのです。
日本の「お・も・て・な・し」文化は素晴らしいと思います。
でも、それは裏を返せば、日本には、サービスとか無形のものに金銭的価値を認めない文化があるということです。
なので日本は、製造業のような、目に見えるものを作る事に関しては一時期一世を風靡しましたが、ソフト面、例えばITセキュリティーみたいな分野では、世界に遅れを取っているように思えるのです。
まあ、ハッキリ言いますと、日本のITテクノロジーは、遅れていると思います。
インフラやハード面はとても進んでいるので、通信速度とかはメチャメチャ速いけど、セキュリティが弱い。
これは、日本の会社のお偉いさんは、セキュリティーみたいな目の見えないモノにはお金を使わないできたことの現われだと思うんですよね。
なので日本では、せっかくキャッシュレスのシステムを導入しても、セキュリティー問題が起こってしまって、計画が頓挫してしまったりする。
これは、ひいては、日本の社会が、セキュリティーという目に見えないものの価値を軽視してきた事の代償だと思うです。
そして、その根底に、日本の「お・も・て・な・し」精神があるとしたら、「おもてなし」っていうのは、そんなに良いことばかりじゃないな、と思うのです。
日本は、対価を期待せずに「おもてなし」する良い国です!
といえば、聞こえはよいですが、
日本人は、「無形の財」は無料だと考えています!
と表現したら、「え???」となりますよね。
だから最近、「お・も・て・な・し」という言葉をあんまり連呼されると、ケッと思ってしまうのです。
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