英国では、2016年に年金制度が変更されました。
過去記事:イギリスの公的年金 (State Pansion) でも色々書いてます。
どれくらいの割合かはわかりませんが、一部の人達にとっては改悪、
それ以外の人達にとっては、どっちもどっち、という感じでしょうか。
改悪となるのは、主に高所得層から中所得層。
低所得層は、まあ、そんなに大きな影響はないんじゃないかな。
一点良くなった点を挙げるならば、今まで不透明だった受給額の計算が、
シンプルかつ明瞭になった事です。
ワタシのようなセミリタイア派にとっては、
将来の年金受給額の予想がやり易くなったというのは、とても助かります。
ざっくりと変更点を説明してしまうと、
英国の個人所得税は、Income Tax と National Insurance からなります。
Income Tax は、日本で言うところの所得税で、
年収に応じて累進課税でどんどん増えて行くエゲツない代物です。
一方 National Insurance は、NHS(国民保健サービス)や公的年金の原資となる
と言われている税金で、ある程度までは一定の税率で、
ある一定のラインを超えると、超えた部分の税率がぐっと下がります。
日本の健康保険料と厚生年金保険料に似てる部分もありますが、
ワタシとしては、似て非なるものだと思います。
それは何故かと申しますと。。。
英国の公的年金は、各個人の National Insurance の支払い履歴によって、
受給の可否及び年金額が決定されます。
2016年に変更以前は、支払い履歴とは支払い期間と金額の複合技で、
たくさん払っていた人は年金額も多かったようです。
しかしなんと!
しかしなんと、2016年の変更により、
支払い履歴で参照されるのは、支払い期間のみとなったのです。
支払った金額に関係なく、支払い期間によって受給額が決まる。
シンプル!
ワタシにも計算できる!
この変更、多くの人にとっては改悪かもしれませんが、
予想受給額が簡単に計算できるようになったのは良い事だと思います。
老後資金計画の第一歩は、公的年金受給見込み額を把握することですからね。
自分で予想受給額を簡単に計算できれば、
希望する老後のライフスタイルに必要な費用と照らし合わせて、
足りない分を企業年金なり個人年金で補うよう、対策できますからね。
でもまあ、ワタシのようなセミリタイアラーの場合は、
企業年金よりも個人年金よりも何よりも、
公的年金 (State Pension) の満額受給が最重要課題です。
新制度では、公的年金満額受給の為には、
毎年少しでも National Insurance.を支払う必要があるのですが、
(働いてない人は、日本の国民年金みたいに自ら進んで支払う事もできます)
その為には、最低限いくら稼がなければならないか。
2019年バージョンを計算して見ましょう。
2019年度は、年収が 8,424ポンド (約122万円)以下の場合、
National Insurance を支払う必要がありません。
つまり、年収 8,425ポンド以上だと、National Insurance が徴収されます。
まあ、あんまりギリギリなのもあれなので、
年収 8,500ポンド (約123万円)くらいを最低ラインとしましょう。
そして、2019年4月からの、英国の最低賃金(25歳以上)は、
時給 8.21 ポンド (約1190円)となります。
年収 8,500ポンド稼ぐには、1036時間働かなければなりません。
一日7時間働くとして、148日。
年間148日働こうと思ったら、週当たり、2.85日。
ざっくりと計算して、最低賃金で週3日働けば、
National Insurance を支払う事ができて、
将来の年金額を増やすことができるわけですね。
そしてワタシの場合、満額受給まであと14年くらい支払わないといけないから、
60歳までの間、週3日程度働く必要があるわけです。
まあ、週3日ぐらやったら、60歳まで働いてもいいかなあ。
でも、これから14年もの間、コンスタントにパートタイムの仕事に
ありつけるとは限らないので、無職期間ができるかもしれませんね。
その場合は、派遣でフルタイムで働いたりして調節できたらと思います。
フルタイムなら、5カ月も働いたらきっと、
National Insurance を支払う程度の年収になるはずなので、
数ヶ月無職でも挽回できるはず。
それに、ワタシの公的年金受給開始予定年齢は、今の所67歳なので、
7年間のバッファがあるから、なんとか67歳までに満額になるようにしたら良いのです。
疲れたら、1~2年無職ってのもありかなあ。
貯金がそこを尽きない程度にね。
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