その中で、雇用の流動性が企業の採用活動に与える影響について考えつつ、
ふと、思いました。
雇用の流動性が高い社会では、ブラック企業は存在するのでしょうか?
結論から言いますと、答えは Yes です。
ブラック企業が存在しないなんて、そんなユートピアみたいな社会はありません。
どんな社会にも、搾取する側と搾取される側が存在するのです。
残念ながら、それが現実です。
なのでもちろん、英国にもブラック企業は存在します。
でもやっぱり、英国は、日本ほどブラック企業パラダイスではないと思う。
だって、雇用の流動性が高い社会では、労働者の退職への心理的ハードルが低い。
なので、ブラックな企業からは、人がどんどん辞めるのです。
じゃあ、ブラック企業はどうやって労働者を確保しているのか?
それはずばり、ワークパーミット(労働許可証)をエサに外国人を安く雇うか、
ワーキングホリデーなどビザステータスの弱い人を買い叩くか、
さらには、不法移民を違法に雇うか。
英国の、ワークパーミット(労働許可証)は、雇用主がスポンサーとなって申請します。
発行された労働許可証は、スポンサーをした雇用主についてのみ有効で、
転職の自由はありません。
永住権を申請する権利が発生するまでの5年間は、
労働許可証をとってくれた会社で働かなければならないのです。
そして、簡単に労働許可証のスポンサーをオファーしてくれるような会社は、
ブラックな匂いがプンプンします。
労働許可証をエサに、安いお給料で馬車馬の様に働かせられるかもしれません。
5年間の滅私奉公です。
また、ワーキングホリデーなど期間限定のビザの人は、
特にビザの残存期間が短くなってくると、選択の余地がなくなり、
ブラック企業にひっかかてしまうこともあるようです
不法移民の違法就労については、まあ、言うまでもないですね。
ブラックになるべくしてなってるというか。。。
英国では、それ以外の場合では、ブラック企業にしがみつく理由がありませんので、
日本のようにブラック企業パラダイスにはなってないかなあ。
いざとなったら、生活保護もあるし。
でもやっぱり、生活保護には頼らず、ちゃんと仕事して
キャリアを身につけたいという若者がいて、
そういう若者が、あれれっと引っかかってしまう事はありますね。
でも、英国の若者は、ヤバイと思ったらさっさと逃げるので、
日本に比べたら、ブラック企業の経営を存続させるのは難しいと思います。
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日本の経済関係のニュースを読んでいて、しみじみ思います。
日本の正規社員と非正規社員の格差って、あまりにもヒドイ。
では、外国ではどうなのか?
ワタシは、英国の事しか知りませんので、他の外国の事は何も言えませんが、
とりあえず、日英の雇用環境や税制の違いについて比較してみました。
サラリーマン手取り金額日英比較(2019年)
日本の税制と雇用格差
正社員と非正規社員の待遇差、日英比較してみる
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